先日、東京大工塾の総会が開催されました。
今年4月に1期生が入塾し、会員工務店と賛助会員のメーカーもそれぞれ20社に増え、
塾生の受け入れ体制も厚くなっています。
総会では、大工塾発足からの活動報告、そして来年には2期生を迎えるにあたり、
さらなる充実を目指した意思確認が行われました。
各工務店が塾生を受け入れ、将来の大工を増やす、
そして日本の伝統的な大工の技術を後世に残していくことが目的の大工塾。
塾生を受け入れるには、工務店の負担も必要になります。
塾生と言えど社員として採用するので、同様の待遇を保障。
技術を教える側の人材も必要です。
しかし、これをやり続けて行くことが何より重要なのです。
実際、ある工務店で大工を目指し修業していた若者が、
最近その工務店を辞めて、大工塾に入塾することとなりました。
給料の安さや待遇の悪さに、続けて行くことが難しいと判断したそうです。
大工という夢を叶えるまでの過程も、
経済的に困ることなく、安心して技術の習得に努めて欲しい。
それが大工塾の想いです。
新たな取り組みとして、大工仕事のマニュアル作成を始めることとなりました。
今までは口伝が基本だった大工の技。
直接見て聞いて覚える、そういうものでした。
しかも、大工によってやり方もそれぞれ違うものでした。
皆が正しい技術、効率の良い技術を学べるよう、冊子や動画でマニュアルを作ります。
実際に自分の目で見なくてはわからない職人の技術を、
動画でいつでも何度でも観ることができるのは、今までにない画期的なシステム。
クラウドを利用して、どこでもスマホやタブレットで観ることができるんです。
明日の現場の予習、以前学んだ技術の復習、
実際に現場に出るようになってから改めて技術の確認をすることもできるのが動画の良さ。
国から補助金が出ることも決まりました。
やり方が違う部分は、大工が集まって、より良いやり方を擦り合わせて決め、
誰が見てもわかりやすいマニュアル作成を目指します。
将来を見据えた大工塾の活動。
今後も日本の建築業界のために、真摯に取り組んで行きたいと考えています。